近年、ECサイトでの動画の活用はますます主流になっています。商品の魅力を映像で表現することで、購入者の興味を引くことができ、購入決定につながる可能性が高まります。

動画を活用するメリットは大きく、商品を詳細に伝えることができることはもちろん、アップセルやクロスセルを狙うこともできます。さらに、ブランドのアイデンティティの理解を深め、ブランドイメージを向上させることができるのも魅力のひとつです。

これらのメリットを最大限引き出すことができる「Tolstoy」というサービスが米国のD2Cブランドを中心に注目されています。Tolstoyは、動画を簡単に作成し、ECサイトに埋め込むことができるサービスです。

Tolstoyは、ECサイトの運営者にとって非常に便利なサービスであるといえます。本記事では、Tolstoyを実際にShopifyで使い、実画面も含めて詳しく解説します。

Tolstoyとは?


Tolstoyでは何ができるのか

Tolstoyは、ECサイトに簡単に動画を埋め込むことができるサービスです。ただ動画を埋め込むだけではなく、チャットボットのようにユーザーが選択した内容に合わせて動画を表示したり、TikTokやYouTubeショートのように縦にスワイプすると複数の動画を表示したりすることができます。

通常、動画をサイトに埋め込むと、サイトが重くなって表示スピードが落ちてしまいがちですが、Tolstoyはサイトの速度に影響を与えることなく動画を埋め込むことができます。

また、Tolstoyでは動画をサイトに埋め込むだけではなく、作成した動画を使って専用のランディングページを作成したり、メールに埋め込むこともできます。

Shopifyであれば、アプリを使って簡単に連携することも可能です。

■ Shopifyアプリ「Tolstoy Shoppable Video & Quiz

Tolstoyで作成できる接客動画は3種類

Tolstoyで作成できる動画は3つあります。

動画でチャットボットを作成できる「Interactive Videos」

チャットボットのように、ユーザーの選択肢に合わせて流れる動画が変わる対話形式です。例えば、よくある質問への回答であったり、ユーザーが探している商品のカテゴリを質問し、そのカテゴリでオススメの商品を紹介するといった活用ができたりと、対面で接客をしているような動画を作ることができます。

出処: SUCKERZ Tolstoy

ショート動画で商品を紹介できる「Shoppable Videos」

TikTokやInstagramのリールのように、スワイプで次々に動画を再生する形式で、動画に関連した商品を表示させることができます。それによって、ユーザーはすぐに商品をカートに追加できます。商品の詳細ページで商品の使用感を伝えたり、トップページでオススメの商品を紹介するといった活用ができます。

出処:culture kings Tolstoy

動画で質問しながら商品を紹介できる「Video Quizzes」

Interactive Videosと同じように、ユーザーの選択肢に合わせて流れる動画が変わる対話形式です。カラー診断などユーザーに質問を重ねて適性を見極める診断系のコンテンツや、使用シーンを質問して状況に合わせた商品を提案するといった活用ができます。

出処:korean skincare Tolstoy

Tolstoyの動画を表示可能な面について

また、Tolstoyで作成した動画はサイト内・サイト外問わず、多様な面に表示することができます。

  • Stories:Instagramのストーリーのような形式でサイト内に表示する
  • Carousel:ユーザーがビデオをスワイプする形式でサイト内に表示する
  • Widge:サイトの下部に窓枠が表示され、クリックすると拡大して表示される
  • Landing pages:専用の動画ランディングページを作成して表示する
  • SMS Campaigns:ユーザーに直接送信されるSMSに埋め込む
  • email:ユーザーに直接表示されるメールに埋め込む

Tolstoyの操作方法


Interactive Videoの作り方

Interactive Videoは、主にWidgeで活用できます。チャットボットのようにFAQに答えたり、商品を紹介したいときに役に立つ動画です。

① シナリオ設計をしてショート動画を用意する。

チャットボットと同じように、まずはシナリオを作成します。その後、シナリオに沿った動画を撮影します。動画は、縦型動画・横型動画どちらでも作成可能ですが、スマートフォンのUIに合わせて、縦型動画を用意すると良いでしょう。

② feedを作成する。

New Tolstoy > Widge > Branching を選択します。

③ 動画をインポートする

1で用意した動画をインポートします。デバイスで直接収録することも可能です。

④ 1つ目の動画の質問と選択肢を作成する

ユーザーに対する質問を記入します。

Edit buttons > Customを選択すると、選択肢を作成することができます。

Edit buttons > Defltを選択すると、ビデオ・音声・テキストでチャットが可能です。

⑤ 各選択肢の解答になる動画をアップロードし、各Partを選択肢に紐付ける

4で作った質問の解答になる動画をアップロードし、質問と選択肢を作成します。

1つ目の動画に戻って、各質問にPart(選択後に表示させたい動画)を紐付けます。

紐付け先は、Partだけではなく、リンクや終了画面にすることもできます。また、商品の購入を促したい場合は、Edit buttons > Shoppableを選択すると、特定の商品をクリックするだけでチェックアウトページに遷移させたり、詳細画面に遷移するように設定することもできます。

⑥ サイトでの表示のされ方を調整する

全ての選択肢に対して設定できたら、Designタブでサイトへの表示のされ方を調整します。Widgetの項目では、サイトで表示される形やサイズ、表示場所(左右)・枠線・色を設定することができます。

⑦ サイトに表示する

Launch to Siteを選択し、サイトへ表示します。
(※サイトに表示するには有料プランへのアップグレードが必要です)

サイトでの見え方を確認します。

作成した動画はリンクが発行されるので、サイトだけではなくSMSやEmailに埋め込むこともできます。

サンプル動画

※サンプル動画と連携しているサイトはパスワードで保護されたテストサイトのため、チェックアウトページ商品詳細ページの表示はされませんので予めご了承ください

Shoppable Videoの作り方

Shoppable Videoは、StoriesやCarousel、Widgeと相性が良いです。商品の使用感や活用方法を詳しく伝えたいときに役に立つ動画です。

今回は、Widge(商品詳細ページの右下に埋め込むタイプ)を作成します。

① ショート動画を用意する

サイトに埋め込みたい動画を用意します。動画は、縦型動画・横型動画どちらでも作成可能ですが、スマートフォンのUIに合わせて、縦型動画を用意すると良いでしょう。

② feedを作成する

New Tolstoy > Widge > Swipeable を選択します。

③ 動画をインポートする

使いたい動画をインポートします。

インポート方法は、ファイルのアップロードの他に、TikTokやInstagramとアカウントを紐付けると、投稿された動画をアップロードすることも可能です。また、デバイスで直接収録することもできます。

④ 商品の紐付けや遷移先を設定する

ECサイトに登録されている商品を紐付けて、動画下部もしくは右側に、商品の詳細やカート追加ボタンを追加します。

Link buttonをオンにすると、任意の文言とリンクを追加することもできます。

⑤ スワイプして表示される動画を追加し、上記の設定を繰り返す

⑥ サイトでの表示のされ方を調整する

Designタブでサイトへの表示のされ方を調整します。Widgetの項目では、サイトで表示される形やサイズ、表示場所(左右)・枠線・色を設定することができます。

⑦ サイトに表示する

Launch to Siteを選択し、サイトへ表示します。
(※サイトに表示するには有料プランへのアップグレードが必要です)

商品詳細ページなど、特定のページのみに表示させたい場合は、Set rules & trigeers > Pagesからリンクを指定します。

サイトの表示を確認します。

PC版
スマートフォン版

サンプル動画

※サンプル動画に出てくるサイトはテストサイトのため、チェックアウトページ商品詳細ページの表示はされませんので予めご了承ください。

その他の機能

  • Setting
    Google AnalyticsやFacebook Pixelの設定を行うことができます。また、チャットに反応があったり、動画から購入が発生した場合に通知を受け取る設定をすることもできます。


  • Responses
    チャットの連絡を確認したり、各ユーザーの選択の履歴を見ることができます。

  • Analytics
    feed(作成した動画)から発生した購入数や金額・閲覧数などのデータを各feedごとと全体で確認することができます。

まとめ


いかがでしたか? Tolstoyは海外製のサービスではあるものの、操作は直感的でわかりやすく、使いやすいサービスだと感じます。また、様々な動画形式や表示場所があるため、使い方も非常に豊富です。

ご興味いただいた方は、動画の作成はフリープランで実施でき、有料プランも14日の無料期間がございますので、ぜひ下記のリンクからインストールして操作してみてください!

■ 「Tolstoy Shoppable Video & Quiz」のインストールはこちらから

寄稿者プロフィール

東口 美睦

株式会社フィードフォース App Unity支援チーム

フィードフォースへ新卒入社し、データフィード管理ツール「dfplus.io」のセールスを担当。その後、App Unity支援チームに参加し、App Unityのマーケティングを担当。YouTubeチャンネルやブログ執筆を行う。