ECでは、自社の商品を広く知ってもらい、さらにファン化させて継続的に購入してもらうために「ブランディング」が非常に重要です。
しかし、ブランディングはマーケティングとは違って、数字として効果測定することが難しいものです。そのため、ブランド戦略を担当されている皆さんの中には、「具体的に何を見ればいいかわからない」や、「取り組みの効果を説明したいが、うまく示せない」といった課題感をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そんなお悩みを解決するのは、株式会社フラクタが提供する「Star Tracker」です。本記事では、Star Trackerのサービス責任者の川岸氏に、Star Trackerの概要やブランディングに重要な指標についてインタビューした様子をまとめました。
Star Trackerとは?
Star Trackerとは、データに基づいてブランドの現在地を見出し、さらにブランドを成長させるためにはどのような課題にフォーカスするべきかを見える化するダッシュボードツールです。
◆詳細
Star Trackerでできること
Star Trackerでできることは主に下記の3つです。
データの連携と指標のグラフ化
Star Trackerでは、ShopifyとGoogle Analyticsのデータを連携することができます。その上で、FRACTAがこれまでブランド支援を行ってきた経験を基に、見るべき重要な指標を整理し、それをグラフ化およびダッシュボード化しています。
見える化している指標は主に以下のとおりです。
※追加予定の指標も含まれます。

ブランドのフェーズ判定
Star Trackerは、FRACTAの多数のブランド支援実績をもとに、ブランドがライフサイクルのどの状態にあるかを「フェーズ」で判定します。
フェーズが変われば見るべき指標や実施するべき施策は変化しますが、担当者が自身でフェーズを把握することはなかなか難しいのが現状です。Star Trackerでは、集計したデータをもとに、ブランドを4つのフェーズのいずれかに分類し、ツール上で見える化します。
▼ 4つのフェーズ
- ネクストブレイク
ブランドの立ち上げ〜熱狂的なファンがつく手前のステージ - ブレイク
熱狂的なファンが一定数つき、ファンの中だけで盛り上がっているステージ - 王道
ファン層が広がり、そのブランドを利用していることがステータスになっているステージ - マンネリ
ファン層がそのブランドに慣れてしまい、特別な存在にならなくなってしまったステージ
ブランディング・ECのプロへの壁打ち相談
Star Trackerのデータをみても、肝心の打ち手が的を射ていない場合は効果は出てきません。そこで、様々なブランドを支援してきた実績のあるFRACTAのエキスパートメンバーに、打ち手が適切かどうかを壁打ちで相談することができます。
※本サービスはオプションとなり、別途料金が発生します。
Star Trackerが考える重要指標はLTV
ECの分析というと、売上・利益に紐づく「単価」・「顧客数」を重要視すること(PL経営)が多いですが、Star Trackerでは、「LTV(顧客生涯価値)」を重視する形に切り替えることがブランド成長には効果的と考えます。
LTVはサブスク・定期購買の分野でよく出てくる指標ですが、実は非サブスクの通常購入でも重要な指標です。なぜなら、お客様と長期的な関係を築くことによって、1人のお客様から得られる利益を最大化させることができるからです。ブランディングにおいては、ファンに支えられることが非常に大事です。
例えば、6月にウェディング向けのシーズナルなキャンペーンを打つために、広告を他の月より多めに掲載するとします。無事に単月の売上目標を達成したとしても、広告費が上がっているため、実は単月で見ると利益は出ていません。
また単価や顧客数だけを重視していると、6月以降の効果に関して根拠をもって説明できず、結局7月以降も同じように広告を出し続ける必要があることになってしまいます。
これを、LTVにフォーカスして分析してみると様々なことがわかります。例えば、今までのデータから、1人のお客様が24ヶ月間お客様でい続けて、その中で8回商品を買ってくれていて、トータルで利益を2万円出してくれるといったように、利益を見える化することができます。
さらに1人のお客様がもたらす利益から、広告費に本当にかけてもよいCAC(顧客獲得コスト)を正しく算出することができます。

そうすることで、施策の良し悪しを正しく評価することができ、次回どのような打ち手を打つべきなのかを考えることができます。すでに購入いただいたお客様に対してアプローチするコストは、新規で集客するコストよりも少なく、効率よく売上・利益を創出することができるのです。
Star Trackerでは、施策に活用できるLTVを適切に算出するため、初期設定時、ストアや商品の特性を踏まえてFRACTAメンバーとチューニングを行います。これによって、各ストアにあったLTVの状況を把握することができます。
Star Trackerの今後の展望
Star Trackerがこれから実装を予定している機能です。
インナーブランディング状況の可視化
インナーブランディングとは、自社の企業理念や価値観を従業員と共有し、共感や愛着心を持って行動してもらうための活動です。
ブランディングの中でも、お客様へどのようにブランドの価値観を伝えていくのかというコミュニケーションの取り方は非常に大事ですが、それを伝える従業員の方がまずはしっかり理解している必要があります。
そのため、インナーブランディングの効果をどのように測っていくか、どのような打ち手を打つべきなのかを、データをもとにStar Trackerで可視化できるようにしていく予定です。
各種SNSなど連携先の拡大
現状は、ShopifyとGoogle Analyticsのデータのみ連携可能となりますが、各ブランドが運用しているSNSのデータなども連携できるように実装していく予定です。
お問い合わせ先
Star Trackerは、データを連携して見える化するだけではなく、ブランディングのプロであるFRACTAが培った、ブランド成長のために必要なエッセンスが詰まったサービスです。
ご興味ございましたら、ぜひ下記からお問い合わせください!
◆ お問い合わせ
寄稿者プロフィール
東口 美睦
株式会社フィードフォース App Unity支援チーム
フィードフォースへ新卒入社し、データフィード管理ツール「dfplus.io」のセールスを担当。その後、App Unity支援チームに参加し、App Unityのマーケティングを担当。YouTubeチャンネルやブログ執筆を行う。