昨今、OMO(Online Merges with Offline)が注目されています。OMOを実現するためには、店舗とECのデータ統合が欠かせません。そこで非常に重要になるのは、POSシステムの連携です。

今回は、POSシステムの中でも「スマレジ」に焦点をあてて、スマレジの魅力や他のPOSとの違い、今後の展望について取材してきました。

【スピーカー】

株式会社スマレジ
営業本部 営業部 主任
宮沢 達史 氏

同社
事業戦略本部 パートナー推進部 アプリマーケットチーム課長
大谷 陽介 氏

スマレジとは? 既存のPOSとの違い


まずはじめに、スマレジさんの紹介をお願いします。

宮沢達史 氏(以下、宮沢):はい。弊社のサービスは大きく3つあります。

1つ目は、「スマレジ」です。こちらは、iPadやiOSデバイスを利用した店舗でのレジを行うサービス(POS)で、管理するためのWeb画面側もパッケージにして1つのサービスとして展開しています。

2つ目は、「スマレジ・タイムカード」です。こちらは、勤怠管理のサービスで、スマレジPOS同様、iPadやiOSデバイスで勤怠を管理するWebサイトを1つのパッケージにして展開しています。

3つ目は、2022年の夏にリリースした「スマレジ・PAYGATE」です。こちらは、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済に対応した、マルチ決済サービスです。

POS・勤怠・決済と、小売を実施するうえでの仕組みはほとんど抑えられている形ですね。今回は、「スマレジ」について詳しくお話をお伺いできればと思っています。

「スマレジ」は、これまでのPOSとは全く違うと聞いていますが、具体的にどこが違うのか教えて下さい

宮沢:これまでのPOSレジは、大きいハードウェアを使って売上を立て、1日1回売上をシステムに連携させるという形でしたが、「スマレジ」では、iPadやiOSデバイスで売上を立てるとリアルタイムでインターネット上に連携されます

かつ、アプリケーションとしての提供なので、例えば新機能搭載や、法改正に伴う機能追加も、アップデートという形で無償で配信しています。既存のPOSだと、機能を加える際には、莫大な費用を掛けてバッチ処理を行う必要がありましたが、「スマレジ」では費用は必要ありません

また、「スマレジ」は、Webサイトを管理する画面がメインのサービスで、キャッシュドロアやレシートプリンタはあくまで付属品ですので、キャッシュドロアなしで利用することも可能です。従来のPOSは、大きなハードウェアがメインだったので、そこも大きな違いかなと思います。

なるほど、非常に革新的です。

大谷 陽介 氏(以下、大谷):また、「スマレジ」では、「スマレジ・アプリマーケット」というスマレジ専用のアプリストアを公開しています。

これは、外部のベンダーさんにスマレジのAPIを活用して、アプリを開発してもらって、それをスマレジのプラットフォーム上で販売してもらうといったものです。

これによって、マーチャント様はPOSに簡単に機能を追加することができます

もともと開発当初からAPIは公開していたのですが、マーチャント様としてはアプリという形のほうが扱いやすく、DXや業務効率化を支援できるのではないかと考えました。そして、2019年から「スマレジ・アプリマーケット」を開始しています。

スケーラビリティが高いですね。もともとPOSを起点にクラウドサービスとして、スケーラビリティを考えていったという形ですか? 

宮沢:そうですね。POS事業は、もともと代表の山本がシステム会社にいたときにドラッグストアのPOSレジの開発に携わっていて、そこからの発想で独立したものとなります。

大谷:開発当初は、お客様が少ないので1つ1つ個社ごとの要件に沿って開発をすることができました。ただ、お客様が増えた段階で限界がきたので、APIを公開することで外部の会社さんにスマレジでは解決できない部分の機能を実装してもらって、ユーザー様のニーズを満たしたいと考えました。

始めはAPIという形で展開して、それをアプリマーケットに展開していったような形です。

ドラックストアからスタートしたというのは意外ですね。そこは今もベースになっているのですか?

宮沢:はい。「スマレジ」は全業種に向けて作っているサービスではあるのですが、その中でも小売に向けた機能が充実しています。これは、「スマレジ」の特徴であり、強みであるかと思っています。

大谷:たくさんある機能の中でも、特に在庫管理が肝だと思っています。商品が売れているのかどうかや、売れていない商品は何なのかなど、商品の情報を管理画面ですぐに確認することができるので、それをもとに販売計画を立てることが簡単にできます。

小売にとって在庫管理は肝中の肝なので、有り難いですね。どのようなアナリティクスの機能があるのか具体的に教えてください。

宮沢:商品別売上や、時間帯別・日別売上の分析はもちろん備わっていて、「スマレジ」ならではの機能としては、商品グループコードでの分析も実施することができます。

詳細としては、お客様で決められた文字列を入力して、それを軸にして独自に分析する機能です。例えば、アパレルのお客様ですと、カラー・サイズを除いた品番単位でグループ分けをして分析することができます。

スマレジ・アプリマーケットで人気のアプリと活用事例


スマレジ・アプリマーケットで人気のアプリを教えて下さい。

大谷:今回は4つご紹介します。

デジタル会員証アプリ

QRコードを読み込むことで、LINE上にデジタル会員証を発行できるアプリ。会計時に会員証を読み込むことで、いつ・何を買ったのかをデータとして蓄積することが可能。そのデータを用いて、セグメント分けをしてメッセージやクーポンを送ることができる。

サービス詳細

モバイルオーダー

飲食店でのモバイルオーダーを可能にするアプリ。非接触・省人化に有効として、利用数が増加している。

■サービス詳細

Omni Hub

ECカート(Shopify)と実店舗の会員データを一元化するアプリ。EC・店舗問わず、購入履歴を顧客も店舗スタッフも見ることができ、より良い購入体験を顧客に提供することができる。また、ポイントデータも連携することができる。

サービス詳細

セイキューンPLUS

スマレジで、売掛金の支払い・入金の管理を可能にするアプリ。支払い方法で売掛金を選択すると、証票が立てられ、売上の管理をすることができる。スマレジではカバーできない機能を追加することができる、アプリマーケットの中でもベストプラクティスなアプリ。

サービス詳細

魅力的なアプリがたくさんありますね、ありがとうございます。アプリを含めて、スマレジさんの機能をとてもうまく使っているなという事例があれば教えて下さい。

宮沢 :ぜひご紹介したいのは、株式会社和心様の事例です。スマレジの在庫管理プランをご利用いただき、RFIDを利用した棚卸しや在庫管理も行っていただいています。管理画面から取れる資料を元に決算資料も作ってくださったりと、スマレジを活用して現場の作業から組織の業務まで効率化していただいています。

■株式会社和心様の事例の詳細

大谷:特定の事例ではないのですが、道の駅・直売所向けの取り組みも実施しています。道の駅・直売所は、農家の方が自社の生鮮品や野菜を店舗に持ってきて、それをお店が委託販売するモデルですが、高齢化によって生産者が商品を持ってきてくれないといった課題があります。

これに対して、スマレジでは外部のベンダーさんと会員証アプリを使って、誰が・何を・何回買っているのかや、全国どこから来ているのかなどの購買データを貯め、そのレポートを生産者に提供しています、そうすることで、生産者のモチベーションをあげて、商品を持ってきてもらうといったサイクルを作れないかと、業界課題にもアプローチしています。

道の駅・直売所向けのサービスサイト

— なるほど。そこまで地域のことを考えているPOSレジって今まで存在しなかったと思います、素敵です。

スマレジの今後の展望


— スマレジの今後の展望について教えて下さい。

大谷 :個人的な意見ではあるのですが、スマレジとしてはPOSだけの会社ではなく、POSを起点に店舗まわりの全面支援をしていく、いわゆる専門商社のような役割を担えるようになっていきたいと思っています。

今のオープンアーキテクチャの思想で、外部のパートナーさんとタッグを組み、店舗設立支援や、POS導入コンサルティングなど、まるっとご支援できるような体制を作っていけたらと思っています。

ありがとうございます! 

まとめ


取材をして、スマレジPOSはお客様の要望を解決するために、自分たちだけでは補完しきれない機能を外部のベンダーさんと取り組むことで作っていくという思想を持っていらっしゃり、本気でお客様のことを考えたサービスだなと感じました。

App Unityが提供する「Omni Hub」との取り組みや、OMOの考え方は、以下の動画でもお伺いしていますので、ぜひご視聴ください。

スマレジの導入や、店舗とECのデータ連携にご興味ございましたら、以下のフォームからお気軽にご相談ください! 

寄稿者プロフィール

東口 美睦

株式会社フィードフォース App Unity支援チーム

フィードフォースへ新卒入社し、データフィード管理ツール「dfplus.io」のセールスを担当。その後、App Unity支援チームに参加し、App Unityのマーケティングを担当。YouTubeチャンネルやブログ執筆を行う。