ECサイトでは、どのようなサイト構成にするかや、どんな機能を追加していくかが売上に大きく影響を与えます。しかし、どこを改善すれば良いのかわからず、サイトの改善は後回しにしてしまうことも多いかと思います。

そこで、今回は、アパレル企業の中でも特に成功事例としてあげられる「ユニクロ」のECサイトを分析し、お客様の購入体験を向上させるためにどんな仕掛けがあるのかを考えてみました。

店舗とECサイトのデータ統合も実施しており、まさにOMO(Online merges with Offline)を実現しているといえるユニクロ。ECサイト運営のご参考になれば幸いです。

※株式会社ユニクロの許可を得て、ECサイトの撮影、並びにブログ記事を公開しております。
ユニクロ公式オンラインストア

ユニクロECサイトの工夫


ユーザーの検索シーンに合わせたカテゴリ分け

まずは、カテゴリです。ほとんどのECサイトでも、カテゴリ分けをしているかと思いますが、ユニクロは非常に細かくカテゴリを分けています。

中でも特徴的なのは、BABYのカテゴリです。新生児・乳幼児は、成長が早くすぐに服のサイズが変わるため、BABYとひとくくりにするとその中からさらにぴったりのサイズを探す手間がかかります。しかし、ユニクロではその対応として、月齢と身長でより詳細にカテゴリをわけています。子育てをしている世代には非常に便利な機能ではないでしょうか。

このように、カテゴリが大きくなりすぎてないかを確認し、ユーザーが検索する最小の単位にしていくとよさそうです。

カスタマージャーニーに合わせたチャットの活用

ユニクロでは、自動回答式のチャット機能が導入されています。チャットは、カテゴリのアイテム一覧ページや商品詳細ページに設置されていますが、実はページごとに出てくる選択肢を変えています

例えば、カテゴリページであれば、着用シーンや特徴で絞り込み、その他の質問に回答していくと、表示しているカテゴリの中で自分に合った商品をレコメンドしてくれます。

商品数が多い場合や、ユーザーがサイト内で商品を検索して購入検討することが多いサイトでは、参考にできそうです。

また、商品詳細ページでは、その商品のサイズ感や商品の取り扱い情報が出てくる他に、在庫切れの場合は、対応方法を表示してくれます。

表示しているページとユーザーのカスタマージャーニーを照らし合わせて、チャットを設計することは非常に重要です。

商品着用イメージを伝える動画活用術

ユニクロでは、商品詳細ページで1番最初に表示される画像に動画が使われています。動画を使うことで、静止画では伝わりにくい着用のイメージや素材の質感が伝わりやすくなります。

近年、ECサイトでも動画を活用する動きが出てきていますが、その中でもユニクロはいち早く活用を始めていて、商品詳細ページ以外にもライブコマースなど様々な施策を実施しています。

動画を活用し始めたいけど、何から始めていいかわからない場合は、参考にしてみると良いかもしれません。

ユーザーの購入促進と企業の新商品開発の参考になるレビュー

多くのECサイトで導入されているレビューですが、ユニクロのレビューは、お客様の情報を非常に細かく記載しています。具体的には、購入したサイズの他に、年齢や身長・体重など情報や、記載者が感じた着用感を掲載しています。

レビューの情報は、ユーザーが購入する判断材料となることはもちろん、EC側としてもレビューの情報を用いて次の商品企画に活かしていくことができます。

そのため、両者にとって多くのレビューで掲載される情報は多いほうがよく、ユニクロでは、それを実現する構造になっていることが伺われます。

店舗スタッフとユーザーのスタイリング画像

各商品詳細ページには、ユニクロ社が用意したスタイリング画像や、店舗スタッフとお客様のスタイリングの投稿が掲載されています

スタイリング投稿では、写真の他にモデルの身長や着用サイズが載っています。モデルとは違って、自分と似た体型や髪型などに合っているかも確認できるので、ユーザーは購入する上で参考にできるかと思います。

また、選択したアイテム以外のアイテムの情報と詳細ページへの導線があるので、EC側としてはクロスセルを期待することができます

MySize ASSIST / MySize CAMERA 

アパレルECサイトで購入する際に1番購入の障壁になることは、自分の体型に合ったサイズを選べるかどうかではないでしょうか?これまでレビューやスタイリングも紹介してきましたが、ユニクロではMy Size ASSISTとMySize CAMERA (スマートフォンのみ)が導入されています。

My SIZE ASSISTとは、決められた情報を入力すると過去の購入データやレビューの情報から、同じような体型・志向の別のお客様で選ばれているサイズを提示してくれる機能です。

必要な情報は以下になります。

  • 身長
  • 体重
  • 体型(お腹の形・ヒップの形)
  • ブラのサイズ(女性)
  • 年齢
  • 好みの着用感

また、スマートフォン限定でMySize CAMERAも導入されています。MySize CAMERA とは、カメラで前面と側面の写真を2枚とるだけで、体型を計測してより正確なサイズをおすすめしてくれる機能です。

OMOを実現する店舗とECサイトのデータ統合


ここまでは、ECサイトの機能に絞ってご紹介してきました。ここからは、店舗とECサイトのデータを統合することで実現できる施策や、オンラインとオフラインの垣根を越えた施策についてご紹介します。

オンラインとオフラインの統合の鍵となる会員証

ユニクロの店舗では、会計の際に会員証の提示を勧められます。会員証は、ECサイト(Webサイト)で表示することもでき、アプリをインストールしていればアプリ上で簡単に表示することもできます。

会員証を活用することで、店舗での購入のデータを蓄積するだけではなく、オンライン(ECサイト)とオフライン(店舗)のデータを統合することもできます。これによって、例えば、商品詳細ページで過去購入したことのある店舗の在庫状況が表示されるなど、各お客様の行動に合わせてカスタマイズすることができます。

店舗とECの在庫連携

ユニクロでは、ECサイトと全店舗の在庫情報が一元化されています。これにより、ユーザーは、もし店舗で購入したいと思った際に、先にECサイトで在庫があるかどうかを調べることができ、店舗に行った際に在庫がなくて無駄足になってしまうことを防ぐことができます。

また、購入履歴に基づいた店舗を表示しているため、よく行く店舗は検索しなくても在庫情報が表示されるようになります。位置情報をオンにしていれば、現在地からの距離と近い店舗も表示されます。

お客様の希望によって選べる電子レシートの導入

店舗で購入した際のレシートは、紙のレシートだけではなく、メールでの送信を選択することができます

また、購入履歴はECサイトやアプリ内でも全て確認することができます。新しく商品を購入する際に、以前買った商品のサイズなどを参考にすることが可能です。

UNIQLO Payで決済を簡単に

ユニクロでは、アプリ会員証のQRコードをレジでスキャンするだけで決済が完了する機能があります。わざわざ現金を出すことなく、スマートフォン1つで決済できることから、支払いの工数を削減することができます。

さらに、UNIQLO Payを登録をすると、アプリでの買い物ができるだけではなく、オンラインストアにも情報が同期されているので、クレジットカードの情報などを再度登録することなく、ワンクリックで購入することができます

まとめ


本記事では、ユニクロのECサイトの機能や、店舗とECサイトのデータ統合などをご紹介してきました。オンラインとオフラインの垣根を越えて、お客様の便利を追求する機能が多数あり、まさにOMOを実現しているサイトだと考えます。

Shopifyでは、App Unityが厳選しているアプリを使うことで、以下の施策が実施可能です。

  • ECと店舗のデータを連携する(※POSの条件あり)
  • アプリやAppleウォレット/Googleウォレット上で会員証を表示する
  • スタッフのコーディネートの活用

ご興味ございましたら、以下のページをご確認いただくか、お気軽にお問い合わせフォームからご相談ください!

▼ECと店舗のデータを統合するOMOを実現したい

▼スタッフコーデを掲載してスタッフと一緒に売場を盛り上げたい

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寄稿者プロフィール

東口 美睦

株式会社フィードフォース App Unity支援チーム

フィードフォースへ新卒入社し、データフィード管理ツール「dfplus.io」のセールスを担当。その後、App Unity支援チームに参加し、Shopifyストアの集客やCRM運用の支援サービス・App UnityのYouTubeチャンネル開設に携わる。