日本国内市場が飽和状態になる中、多くの企業が新たな市場を模索しています。その中でも、注目されているのが東南アジア地域です。この地域は所得が増えており、購買力が高まっています。とりわけ、日本製品には高い信頼性があり人気があるため、越境ECを始めやすいとされています。

このように、東南アジア地域で越境ECを始めることは、多くのチャンスを生み出す可能性があります。しかし、成功するためには注意すべきポイントもあります。

そこで、フィードフォースベトナムの森氏に、東南アジア地域で越境ECを始める際に押さえておきたいポイントや、成功するためのノウハウを取材し、その様子を記事にしました。ぜひ、東南アジアでの越境ECに興味がある方は、ご覧ください。

【スピーカー】

Feedforce Vietnam Co., Ltd  代表
森 大輔

ポテンシャルがある東南アジアの越境EC!


越境ECをする上で、最初に考えるべきポイントは、「どこの国に出すか」です。越境ECを始めたのに、出店する国が悪くて商品が売れないことは避けたいところです。

商品によってオススメの国は変わってきますが、初めて越境ECを実施するなら、まずは東南アジアを検討していただきたいです。東南アジアの中でも具体的に対象になるのは、シンガポール・マレーシア・インドネシア・ベトナム・タイ・フィリピの6カ国です。

なぜ東南アジアなのか?

東南アジアがオススメの理由は下記です。

  1. ポテンシャルが大きい
    人口が2023年時点で6億人で、1〜2年後には日本のGMVを主要6カ国の合計GMVが抜くという統計があり、今後も成長を続けることが予想される。個人としての所得も増加していくため、ものが売れやすい市場といえる。
  1. 日本製品の購買意欲が高い
    東南アジアは日本製品の人気が高い。
  1. 送料や許認可取得が安い
    欧米や中国に比べると送料や許認可取得が安いケースが多く、安価に始められる。

東南アジア主要6カ国の中でも特にシンガポールがオススメ

シンガポールは、

  • 商品による関税の違いが少ない
  • 英語圏である
  • 他の国よりも飛び抜けて所得が高い
  • 越境ECに慣れているのでクレームが少ない

このような特徴があり、シンガポールを皮切りに、他の国へも進出していくのが多いプランとなります。

東南アジアで人気のECモール

東南アジアでは、日本でのAmazonのように、地域で人気のECモールがあります。その代表例が、「Shopee」と「Lazada」です。機能としては、Amazonに近く、バウチャーをつけたり、割引表示をしたり、モールが主催するプロモーションに参加できたりします。

その他にも、各国で人気のモールもあるので、出店する国や商品に合わせてモールも検討すると良いでしょう。

東南アジア向け越境ECで相性の良い商材とは

東南アジアでよく購買されている商品の例です。

  • コスメ:紫外線が強いので、スキンケアが特に人気
  • 日本特有のコーヒーやお茶・京都の特産品:地域訴求ができるものが人気。
  • 生活商材やキャラクター雑貨
  • ベビー用品

国やプラットフォームごとで商品の相性があるので、事前の調査をすることが重要です。

東南アジアでの越境ECを成功させる鍵とは?


信頼性を担保する

東南アジアは偽物が多いため、信頼性を担保することが非常に重要です。そのため、独自ドメインよりはすでに信頼のあるShopeeやLazadaのようなプラットフォームのほうが売れやすい傾向があります。

また、「メイドインジャパン」や「ダイレクトフロムジャパン」を訴求することも大事です。例えば、タイトルの先頭にこれらの文言を入れたり、ブランドストーリーを細かく伝えて日本製であることを訴求するようにすると良いです。

広告は国にあったクリエイティブを用意する

認知度が低い商品は、最初は広告を出して露出を増やすことが重要になります。東南アジアでは、GoogleFacebookが人気で、他にも人気のメディアは日本と似たような構成となりますが、好まれるクリエイティブは少し異なります。

例えば、東南アジアは家族を重視するカルチャーなので、ただ商品を見せるクリエイティブよりも、家族で使っている様子や家族に対するギフトなどのビジュアルで訴求するのが好まれます

また、派手な色や派手なものを使ったような、センセーショナルな広告も好まれま

このように、日本とは違った視点でデザインを作る必要があり、可能であれば、クリエイティブは東南アジア現地の人に用意してもらうのが良いでしょう。

実店舗やポップアップを使う

洋服など実際に触って試したい要望が多い商品では、オフラインでの施策(実店舗やポップアップストア)が重要です。

ポップアップストアを実施する場所は、最低限人通りが多いところを選ぶようにしましょう。そのうえで、日本の大手百貨店やスーパーなど、日系の商品に興味をもつユーザーが集まるような場所で開催できないかを調べることも大事です。

物流では温度に注意する

東南アジアは日本に比べて気温が高いため、例えば、ワックスなどが溶けてしまうなどの危険性があります。扱う商品が、常温でも保存できるものかどうかの確認が必要です。

越境ECでよくある失敗と解決方法


越境ECで1番多い失敗は、途中でやめてしまうことです。EC全般に言えることですが、すぐに成果が出るような売り方や商品を選定することは難しいため、中長期で戦略を立ててしっかりリソースを確保して取り組むことが必要です。

とはいえ、越境ECは通常のEC業務に加えて、言語・文化・法律等の違いによってさらにやることが多くて非常にリソースがかかる事業となります。そのため、なかなか1企業で実施するのは難しいのが現状です。プロの企業に手伝ってもらうことも手段の一つかと思います。

「Global Step Project」のご紹介


フィードフォースベトナムでは、アパレルウェブ・オープンロジの二社と共同で、東南アジアへの越境ECのオペレーションを支援する「Global Step Project」を実施しています。

「Global Step Project」では、「ECモール×Shopify」「Shopify×ポップアップ」など商品や拡販戦略に合わせたオプションや、ECモール↔Shopify↔配送のシームレスな連携をご支援します。

ご興味ございましたら、下記のサイトからお問い合わせください!
Global Step Project サービスサイト

寄稿者プロフィール

東口 美睦

株式会社フィードフォース App Unity支援チーム

フィードフォースへ新卒入社し、データフィード管理ツール「dfplus.io」のセールスを担当。その後、App Unity支援チームに参加し、App Unityのマーケティングを担当。YouTubeチャンネルやブログ執筆を行う。