昨今、食品、飲料、トイレタリーなどのメーカーのサイトや、百貨店やホームセンターなどの小売のサイトにて、自社の持つ複数のブランドサイトを横断して利用できる企業独自の「ブランド共通ID」を提供するケースが非常に増えています。

ブランド共通IDを提供することで、ユーザーは1つのIDとパスワードで企業が運営しているサイトを横断してログインすることが可能となります。

そのため、企業側にとってはサイトを横断したユーザーの利用機会が生まれるだけでなく、これまで分散されていた顧客データの統合が可能となることで、より統合的なデータを分析して商品開発やマーケティングに活用することが可能です。

このようにユーザーにとっても、企業にとってもメリットが大きいブランド共通IDですが、どのような企業がブランド共通IDを提供しているのか把握しておきたいといった方も多いのではないでしょうか。

本記事では、どのような企業がブランド共通IDを提供しているのか、業種別にまとめています。ブランド共通IDの提供を検討されている方は是非参考にしてください。

食品業界│ブランド共通IDの提供事例


1. AJINOMOTO ID

「AJINOMOTO ID」とは、味の素株式会社が提供するブランド共通IDです。1つのIDとパスワードを使って味の素グループが提供するオンラインサービスを利用できます。

2022年12月から提供が開始され、当初は「AJINOMOTO ダイレクト」と「AJINOMOTO PARK」の2つのサイトが対象サービスでした。その後、「AJI MALL」と「GOOOD GOOOD TABLE」の2つのサイトも対象サービスとして追加され、現在では合計4つのサイトでAJINOMOTO IDを利用してサービスを利用でき、今後も機能拡充や対象サービスの拡充が予定されています。(2023年7月時点)

引用元:「AJINOMOTO ID」スタート

2. GlicoメンバーズID

「GlicoメンバーズID」とは、江崎グリコ株式会社が運営する対象サイトを共通で利用できるブランド共通IDです。1つのIDとパスワードを使って対象のオンラインサービスを利用できます。

現在は、「with Glico」「グリコダイレクトショップ」「グリコピア」「スマイルビスコ」「ポキトモ」「Team17」「CLUB Bâton d’or」の合計7つのサイトを利用でき、今後もWEB会員サイトやキャンペーンサイトなどの対象サービスの拡充が予定されています。(2023年7月時点)

引用元:Glicoメンバーズ会員登録

3. kewpie ID(キユーピー ID)

「kewpie ID(キユーピー ID)」とは、キユーピー株式会社が提供するオンラインサービスを共通で利用できるブランド共通IDです。

現在、kewpie IDを利用して「Hi! kewpie(ハイ! キユーピー)」「Qummy(キユーミー)」の2つのサイトが利用可能です。(2023年7月時点)

引用元:kewpie ID(キユーピー ID)について

飲料業界│ブランド共通IDの提供事例


4. キリン ID

「キリン ID」とはキリンホールディングス株式会社が提供するブランド共通IDです。1つのIDとパスワードを使ってキリングループが提供するオンラインサービスを利用できます。

現在、「My KIRIN」「Home Tap」「DRINX(ドリンクス)」「ワインクラブ|シャトー・メルシャン」の4つのサイトでキリン IDが利用でき、今後も対象サービスの拡充が予定されています。(2023年7月時点)

引用元:キリン IDとは

5. サントリーアカウント

サントリーアカウントは、サントリーホールディングス株式会社が提供するブランド共通IDです。1つのIDとパスワードを使ってサントリーグループが提供するオンラインサービスを利用できます。

現在、「特茶生活SHOP」「ONE WINE」「倶楽部ダイナック」「サントリーウエルネスオンライン」「サントリーアカウントサービス」の5つのオンラインサービスを利用可能で今後も対象サービスの拡充が予定されています。(2023年7月時点)

引用元:サントリーIDについての重要なお知らせ

日用品・製薬業界│ブランド共通IDの提供事例


6. My Kao ID

My Kao IDは、花王株式会社が提供するブランド共通IDで、2022年12月より生活者と直接つながる双方向デジタルプラットフォーム『My Kao』のスタートに伴い提供開始されています。

参照元:花王、製造業から「UX創造企業」への変革をめざして 生活者と直接つながる双方向デジタルプラットフォーム『My Kao』スタート

現在、「Kao Beauty Brands Play Park」や「My Kao Mall」だけでなく、6つのブランドコミュニティサイトを利用でき、今後も対象サービスの拡充が予定されています。(2023年7月時点)

引用元:My Kao IDとは

7. LION ID

LION IDは、ライオン株式会社が提供するブランド共通IDです。1つのIDとパスワードを使ってライオンが運営するオンラインサービスを利用できます。

LION IDを使って、現在「by me(バイミー) 」「ORAL FIT」「おくち育」の3つのサイトを利用できます。(2023年7月時点)

引用元:LION IDへようこそ

8. 大正製薬ID

大正製薬IDは、大正製薬株式会社が提供するブランド共通IDです。1つのIDとパスワードを使って大正製薬する4つのオンラインサービスを利用できます。

2022年3月より4つの会員サイトのログイン方法が統一され、「大正製薬ダイレクト」「TAISHO Beauty online」「リポビタンポイントチャージステーション」「リアップ プレミアムクラブ」のオンラインサービスを1つのIDとパスワードで利用できます。(2023年7月時点)

引用元:大正製薬IDについてのお知らせ

小売業界│ブランド共通IDの提供事例


9. HH cross ID

HH cross IDは、阪急阪神ホールディングス株式会社が提供するブランド共通IDです。1つのIDとパスワードで阪急阪神ホールディングスグループが提供しているオンラインサービスを利用できます。

現在、「宝塚歌劇Pocket」「宝塚歌劇Webチケットサービス」「Quatre Reves ONLINE」「阪急阪神すまいのメンバーズ」「阪急阪神第一ホテルグループ公式サイト」「阪急阪神第一ホテルグループメンバーズクラブ公式アプリ」「はじめてのアートと出会う場所「アートリエ」」の7つのオンラインサービスを利用でき、今後も対象サービスの拡充が予定されています。(2023年7月時点)

また、HH cross会員向けのサービスも提供されており、会員になることで阪急阪神の沿線や施設で利用できる無料Wi-Fiサービス専用アプリデジタル空間上の街で音楽祭などのメタバースイベントに参加できるアプリが利用できたり、阪急交通社アプリにHH cross IDを登録するとスマホポイントの還元率がアップするなどの特典も提供されています。

引用元:HH cross ポータル

10. マイボID

マイボ IDは、DCMホールディングス株式会社が提供するブランド共通IDです。DCMグループ共通会員サービス「マイボ」の会員に登録することで、店舗に加えてDCMオンラインでもマイボIDを利用することができます。

また、マイボ会員になることでDCMカーマ、DMダイキなどのブランドの異なる店舗だけでなく、DCMオンラインでもマイボIDを利用することで共通のポイントを貯める・使うことができます。

引用元:DCMグループ共通会員サービス「マイボ」のご案内

まとめ


昨今、メーカーや小売のサイトにて提供が増えているブランド共通IDの提供事例を紹介させて頂きました。企業が提供しているブランド共通IDの対象サイトは、さらに拡充され企業が運営している全てのサイトが対象となると思われます。

対象サイトを追加するためには、シングルサインオンを実装するのが一般的ですが、弊社が提供する「App Unity Xross ID」では、シングルサインオンを簡単に実装することが可能です。

それ以外にも「IDの共通化・活用」領域でお手伝いできることを増やしていくことを予定しており、「ブランド共通IDの提供」「ブランド共通IDの対象サイト拡充」「サイト間のポイント共通化」「ソーシャルログイン」などID・シングルサインオン周りのご課題ございましたら、ぜひ一度お話をお聞かせいただき、実現について一緒に考えさせてください。

IDソリューションについての弊社の方向性については、以下記事にてご紹介させて頂いておりますので、こちらも併せてご参考にしてください。

「App Unity Xross ID」リリースの背景と今後目指していくもの

寄稿者プロフィール

北林 択哉

株式会社フィードフォース App Unity支援チーム

株式会社フィードフォースへ中途入社後、コンサルティング型広告運用サービス「Feedmatic」でのセールスを経て、「SmartNews」のローカルクーポンのセールスを担当。2021年よりDX支援事業にてShopify定期購買アプリの営業&カスタマーサポートの立ち上げを行いつつ、現在はApp UnityにてShopifyの導入支援を担当しています。